押さえておきたいアプローチの基本

アプローチをデザインする上で知っておくべき基本的な考え方、手法についてご紹介します。

アプローチは、公私の領域の間を取り持つ空間です。そのため、公私の領域を移動する間に気持ちの切り替えがスムーズに行えるか、ということが大切です。そのような空間を目指すことが、住む人をはじめ、家に訪れた人のことを考えたアプローチ作りに繋がります。

外構リフォームを考えている方の中には、敷地に余裕がないことを懸念している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、アプローチの基本を押さえて工夫することで、敷地面積を問わず心地の良い空間を作り出すことができます。

利便性から、アプローチをできる限り短くしたいと考える方も少なくありません。しかしアプローチが短すぎると「気持ちの準備をする空間」というアプローチ本来の機能が損なわれてしまいます。アプローチ本来の機能を損なわないためには、ある程度の長さを確保する必要があります。

どれくらいの長さを確保するのかは、敷地面積や個人の好みによって変わりますが、気持ちの準備をする空間を大切にしたいなら、長く歩かせる工夫をすることをおすすめします。工夫としては、歩くためのペーブメントをジグザグ状、または曲線を描くように配置する、植え込みや壁などで少し遠回りになるような道筋を作るなどの方法があります。

アプローチは、工夫次第で家の出入りを楽しくすることができます。足元は、利用する敷石によって印象が大きく変わります。石やタイルの種類、色・形・サイズなど、利用する素材は数多くあり、サイズの異なるものを組み合わせたり、色彩の違いを活かしたデザインにしたりと、その活用方法は無限大です。外構リフォームでは素材にこだわる程、理想的な形へと近づけることができます。

アプローチに十分な距離を取ることが難しい場合にも、視線で楽しめる工夫は活用できます。距離的な空間を十分に確保できない代わりに、植栽を植えて高い所に視線が行くようになり、花壇を設けて花を植えれば、思わず足を止めてしまう素敵な空間となります。